思考の幅を広げたいと思うと、知識や情報を増やすことが大切。
ニュースを読んだり、解説本を読んだり、専門家の話を聞いたり。
もちろんそれも大切ですが、「小説を読むこと」も今の時代だからこそ必要なのでは、と。
『科学的根拠(エビデンス)が教える 子どもの「すごい読書」』の中で紹介されていた研究があります。

イギリスの大学生を
- フィクション(物語)を読むグループ
- ノンフィクション(説明文)を読むグループ
- 何も読まないグループ
に分け、読書の前後で批判的思考力を測定したところ、最も向上したのはフィクションを読んだグループだったそうです。
ちなみに、批判的思考力とは、他人を批判するというネガティブな意味合いではなく「ある主張や考えが妥当なのかどうかを、きちんと根拠を考慮した上で、偏りなく考えること」を差します。
わたしとしては、この結果が少し意外でした。
批判的思考力というと、説明文や専門書を読むことで鍛えられるイメージがあったからです。
研究者のホリス氏は、批判的思考力は単なる知識量ではなく、
- 自分とは異なる立場で考える力
- 他者への共感力
- 想像力
- それらを使って考えようとする態度
と深く関わっているのではないかと考えています。
確かに小説を読むと、登場人物の立場になって考えたり、言葉になっていない感情を想像したりします。
自分ならそうは思わないけれど、この人にはこう見えているのかもしれない。
そんな体験を何度も繰り返します。

少し前に、高校の国語教育で再び小説を重視する方向へ見直されているというニュースを見ました。
AIが説明や要約を簡単に作れる時代だからこそ、人の気持ちや文脈、言葉にならない部分を読み取る力がより重要になっているのかもしれません。

思考の幅を広げるとは、知識を増やすことだけではなく、自分とは違う視点を持てるようになること。
その練習として、小説はとても優れた教材なのだと気が付きました。