何をやるか(中身)は内発的動機、どう届けるか(手段)は外発的動機

モチベーションを保つには、いかに内発的動機付けをするかが大切だと、様々な媒体で見聞きしてきたように思います。

他者に評価されるために、報酬を得るためにといった外発的動機ではなく、やりたいという自発的な意志に基づく内発的動機があってこそ、何事も持続できるもの。

それは確かにそうで、わたしもまさにブログやYouTubeなどの発信は、今のところほぼ100%内発的動機に基づいていると感じています。

ただ、少し前に読んだ本、少し前に観たテレビ番組から、モチベーションは「好きだから続く」という単純なものではないのではないかと考えるようになりました。

むしろ、好きなことを続けるために、あえて“好きじゃない要素”=外部からの評価=外発的動機も取り入れている人が残っていくのでは?

まず、読んだ本をご紹介します。

ジェーン・スーさんの著書「闘いの庭  咲く女 彼女がそこにいる理由」。

13人の女性との対談を元に綴られたインタビューエッセイ集です。

この中で、漫画家の一条ゆかりさんの言葉が印象的でした。

「自分の意思をあまりに貫き通そうとして、仕事がこなくなっては困る。漫画だけで生活できなくなってしまうから」一条には、漫画家としてのプライドと、商業作家としての戦略的自我が強くある。売れるだけでなく、描きたいものを描き続けるためには人気が必要だと悟り、キャリア序盤から定期的に読者アンケートに目を通した。

自分の世界観、「描きたいもの」を守るために、あえて読者アンケートという“外側の声”を取り入れていたとのこと。この時点で、純粋な自己表現ではなく、「続けるための設計」が入っています。

この文章を読んだとき、テレビのトーク番組で観たMr.Childrenの桜井和寿さんのインタビューを思い出しました。

今となっては国民的アーティストであるミスチルですが、デビュー当時はずっと「とにかくタイアップがほしかった」とのこと。

大ヒットしたinnocent worldはタイアップのために作られた曲であり、Replayという名曲はCMの尺である15秒にぴったり収まるようにサビ部分が作曲されているのです。(知らなかった〜!)

個人的に、は少し意外な印象を受けた話でした。

わたしがミスチルを本格的に好きになったのは大学生の頃。初めて行ったライブが「スーパーマーケットファンタジー」というアルバムのツアーで、その頃には既に大人気アーティスト。

おそらくミスチルの世界観、桜井さんの曲作りへのこだわりが地道にファンを増やし、ここまでになったのだろうなぁと思っていたのです。

ところが、「好きな音楽は続けたい。でも生活をしていくためには、売れないといけない。売れるためにはタイアップがほしい、という思いでやっていました」と話されていて。

タイアップのためには先方からの要望もあるだろうし(バラードなのかアップテンポなのか的な)、完全に自分のこだわり100%ではないけれど、与えられた条件の中で自分の世界観を打ち出していく。

「わかる人だけに届けばいい」というスタンスだけでは、長く活動できないという現実を踏まえての言葉だなぁと思ったわけです。

一条ゆかりさんは、読者の反応を見る。

桜井さんは、タイアップという制約を受け入れる。

どちらも共通しているのは、「外側の評価」を敵にせず、むしろそれを燃料に変えている点かもしれません。

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①まず描きたい・作りたいという“内側の動機”がある

②でもそれだけでは続かないと知る

③だから外側(売上・人気・評価)を戦略的に取り入れる

この③をやらないと、②の壁で止まってしまう。

「好きなことだけやりたい」

「わかる人だけわかればいい」

この状態って、一見純粋でそうあるべきに思えるけれど、実はかなり脆くて危うい理想像でしかないのかもしれません。

続けるためのエネルギー源が一つ(内発的動機)しかないから、です。

逆に、長く続いている人はエネルギー源が複数あるようにも感じます。

・好きだからやる(内発的)

・評価されるからやる(外発的)

・求められるからやる(内発的+外発的)

この全部を混ぜていると、モチベーションを持続しやすいのかもしれません。

モチベーションは、「守るもの」じゃなくて「設計するもの」。

一条ゆかりさんが読者アンケートを見たのも、桜井さんがタイアップを取りにいったのも、“自分のモチベーションを長期的に維持するための設計”だった、と考えると長く続けるための共通点が見えてくるような気がします。

つまり二人とも、内発と外発、どっちかを選ぶのではなく、両方を同時に成立させている。

ここからは、わたしの今の発信の話。

今は、YouTubeもInstagramもホームビデオ感覚だし、ブログも自分の頭の中を整理するような感覚で、ほぼ内発的動機にに基づいて続けています。興味のある人に届けば嬉しいな、という気持ち。

だからこそ、力を抜いて、忖度せずに発信できている。これは内発的動機の強さでもあります。

でも同時に、

・誰にも見られなかったら続かないかもしれない

・見てもらえないと意味が薄れる

という感覚もあります。

これは外発的動機で満たされていくもの。

「どっちにするか」を決めようとせずに、内発的動機こそが純粋なものだ!とも決めつけずに。

モチベーションを分離することが必要なのでは、と考えました。

例えば、

① 発信の“中身”は内発でやる→ 思ったことをそのまま話す、書く

② 発信の“届け方”は外発で設計する→ タイトル、サムネ、投稿頻度、導線

これを分けないと、中身まで外発に引っ張られて苦しくなるし、逆に全部内発だと誰にも届かない。

話は戻りますが、ミスチルのinnocent worldもそうで、曲そのものは桜井さんの内側から出てるけど、“届け方”としてタイアップを使っている。

モチベーション設計が難しいのは、内発と外発を混ぜて考えてしまうからで、

・何をやるか(中身)は内発

・どう届けるか(手段)は外発

ときれいに整理できたら理想だな〜と思いつつ、今は試行錯誤しながら地道に続けていきたいということです…。