子どもの防犯意識は「急がば回れ」で養う

 

子どもの防犯対策について、少し前から改めて考えています。

長女が小学校に入学したこともあり、これからどんどん子どもだけでの行動範囲が広がっていくことを実感中。

GPS機能のあるものを長女のランドセルに付けていて、学童に行かずひとりで帰宅する日はスマホを見て長女の位置情報を確認しながら、家近くで待っています。

ちなみに入学式の日に記念品として学校からプレゼントされたものは防犯ブザーでした。わたしが子どもの頃は鉛筆や文房具だったことを思うと、時代は変わったなとつくづく感じます。

でも、防犯対策って完璧にはなかなか難しい。

交通ルールを教えるのとはワケガ違いますよね。その違いは、大人が言語化して伝えられるかどうかによるものだと思います。

信号の色の意味や、横断歩道を渡るときは右見て左見て手を上げて…など、交通ルールは明確に伝えられるのですが、防犯となると難しい。

知らない人には付いて行かない、変な人がいたら近寄らない。

どれも抽象的で曖昧ですよね。子どもにとって変な人とは、大人が示すそれとはまた違った意味合いになって受け取っているかもしれません。

そんな中、先日たまたまTVerを観ていたら「上田と女がDEEPに吠える夜」で子どもの防犯対策がテーマに取り扱われている放送回が見逃し配信で挙がっていました。(6/4(水)0時まで)

この中では、芸能人のママさんを中心に、具体的な防犯対策として実践していることをお話しされています。

わたしが特になるほどと思ったのは、専門家の方のお話。

「怪しい人の見分け方として、見た目ではなく行動で見分ける」

「行動で見分けるためには、常日頃まわりの優しい人と関わっておくことが大切」

怪しい人=大人とは限らない時代。子ども同士での性被害や、一見優しそうに見えるお兄さんお姉さんでも犯罪加害者になる可能性はありますよね。

だから、見た目ではなく行動で見分ける。じーっとこちらを見続けているとか、距離感が近すぎるとか。

そして行動で見分けるためにできることとして、日常良い人(普通の人)と接しておく。

ここがすごく腑に落ちたというか。

防犯って親も子も暗くなりがちな話題ですよね。口酸っぱく「変な人に声掛けられても逃げるんやで」「なんかあったら防犯ブザー押しや」とか言う方も暗いし、何度も言われる子どもも面倒そうにしていたり。

でも、何よりも大事なのは子ども自身に違和感を感じる力を付けておくということ。物理的な防犯ではなく、意識として子どもが「この人ちょっと変やな」と思える感覚を養っておく。

普通な人の感覚を身に付けることで、自然とそれ以外の人(変質者など)に対して不審感や違和感を覚えるという、そちら側からのアプローチ。

食べ物もそう。

賞味期限のようにわかりやすい印はあっても、色や匂いで「なんとなく食べないほうがよさそう」と判断することがあります。

他人にその理由を言葉で伝えるのは難しくても、過去の経験からなんとなく違和感を感じる。

これは普段から普通においしいものを食べているから気づくこと。

良い人と関わらせておくとはいっても特別なことをするのではなく、学校や保育園、近所の方々との会話の中で育まれていくもの。

わたしがママ友やお隣さんと立ち話をしている姿を娘たちは見ているわけで、その時の距離感や表情から「この人は安心な人なんだ」と感じとることもあると思います。

そんな風に、危険そうな人の特徴はしっかり伝えておきつつ、普通の人接する時の感覚も養っておく。両方のアプローチから、子どもたち自身が防犯意識を高めることが、どんな防犯対策グッズよりも普遍的で有効な手段なのではないかと感じました。

これをしておけば安心とか、効果がすぐに実感できる対策ではないけれど、急がば回れの精神で気長にコツコツ親としてできることをやっていけたらと思います。