おはようございます。
小川奈緒さんの新刊「家が好きで」。
写真も文章も、なんというか本当に買ってよかったと思える本でした。
少し前に本を断捨離した話を書いたのですが、小川奈緒さんの本をはじめ手元に残しておきたい本は数冊だけ残しています。
今回の新刊は愛用品についてのエッセイ。モノについての話なのに、そこには奈緒さんのこれまでの歴史や価値観が綴られていて、人生史を読んでいるような感覚になりました。
モノ選びには、本当にその人自身が投影されているのだなと、改めて。
わたし目線で恐縮なのですが、それぞれのエッセイの結びの文章がどれも「うーん…!」と唸りそうになるほど鮮やかにまとめられていて。
ひとつのモノとの出会い、使い方、これまでのエピソード、その最後に来るまとめの一文。
ちょっと考えさせられるような、じーんと心に来るような、思わず微笑んでしまうような、そんな文章。
ひとつのエッセイを読み終わるごとに、次のページをめくらず、しばらくそのまま自分の家をぐるっと見回してしまう、そんな本でした。
この本の中で、自分の軸に戻れる存在として一脚の椅子を挙げられています。
色々な考えがまとまらなかったり、感情が揺れ動くとき、そんな存在があるなんて素敵だなぁと、わたしの場合は何だろうと考えてみました。
が、今のところ思いあたらず。
でも、これから年数をかけてじっくり付き合っていくモノはどれなのだろうと観察しながら過ごすのも楽しそう。
強いて言えば、モノではないけれど写真を撮ることはわたしにとって軸になりつつあるのかもしれません。
散らかる部屋もカメラ越しに見ればなかなか良い景色なんじゃないかと思えたり、普段の生活の様子を撮るたびに、普通の日常ってありがたいなぁと思えたり。
こんな風に、色々と考えを巡らすことのできる素敵な本でした。
定期的に読み返して、モノとの付き合い方の軸のヒントを教えてもらいたいなと思っています。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!