二度の引越しを経て、モノは簡単に増やさない方が良いという価値観は夫と共有できてきました。
ベッドフレームをはじめ様々な家具を分解(破壊)し、借りてきたハイエースで何往復も自治体のクリーンセンターへ搬入する作業を担ってくれた夫は、モノを処分するときの大変さを身をもって感じたそう。
おまけに処分費として数万円支払ったので、そう簡単にモノ(特に処分に困る系)は増やすまいと心に決めた夫は、ここ最近本当に慎重になり、かなり吟味してから買い物をしている様子です。
ただ、既に手にしている衣類や本、その他諸々の思い出グッズは特に見直すでもなくそのまま放置されていました。
わたしは「これ使ってへんのちゃう〜?」と言いたいのをぐっと我慢して(実際は何回か言ってた気もするけど)、粛々とわたし自身の持ち物を減らすことに注力していました。
いつか夫自身も片付けに目覚めるときがくるかもしれないという淡い期待とともに、図書館で借りてきた片付けに関する本をわざと目につくところに置いたりして…。
そんなある日、突然夫が「決めた!捨てる!」と言い出したのです。今あるモノの片付けに関してはテコでも動かなかったような夫がなぜ?
一番の理由は、お金だそう。
夫はわたしより野心があるタイプで、お金持ちになる思考をあれこれ調べていた結果、「お金持ちほど家にあるモノが少ない」と気付いたとのこと。わたしもミニマリストさんの本で「ドラマや映画の描かれ方のひとつとして、お金持ちの家はモノを少なく、貧乏な家にはモノを多く置く設定をしている」という話を読んだことがあります。
この話を夫としていて、わたしが冗談半分本気半分で「いっそ思い切って色々手放して、後悔したら買い直したらいいやん。その買い直すお金は家計から出したらいいから。」と言ってみたら…。
「そうするわ!」と夫。
夫の中でモノを手放すことに勿体無さを感じていた一番の理由が、手に入れる時に支払ったお金を失ってしまう感覚がするという点で、それに気付けたことが大きかったようです。
後悔したら買い直せる。そのルールに則り実験スタート。
一番驚いたのは、夫が大学時代の友人と揃いで作ったスウェットをサッとゴミ袋に入れたことでした。
あれほど愛着を持っていたのに、これを捨てるなら今回は本気なんだと感じました。(余談ですが、わが家で一番乾きにくい洗濯物No.1がこのスウェットだったので地味に嬉しい)
衣類や本をどんどん手放し、「ここにフックで引っ掛けたい」と収納にも興味が出てきて、観察しているわたしもなんだか面白くなってきました。
夫の意識改革は自分のスペースだけに留まらず、家全体にも波及。
夏の終わり頃に、一緒に庭の倉庫の整理をして、不用品だけざっくり分けておくところまでできたのですが、粗大ゴミはいざ処分しようと思うと重い腰が上がらずそのままになっていました。
こちらも夫が「捨てに行こう!」とやる気になったので、自治体に申請して処分場に軽トラで運ぶことに。まさかの年内に手放すことができて、本当にすっきり!
今は夫自身も余白ができたスペースを快適に感じているらしく、現時点で買い直したモノはなく、届いたダンボールもすぐに開封して不要なモノは捨てるという習慣が。まるで別人…。
わたしとはアプローチする方角が違えど、余白のある生活が快適に感じられることを共感してもらえて、嬉しい〜。
人を変えることはできないし、変わるとしても何がきっかけになるかは分からない。
思いもよらないところから急にボールが投げられることもあるし、やはり他人を変えようとしてはいけないのだなと実感しています。
とはいえ。
子どもに対しては大人よりも変わる余白を感じてしまうので、ついついこちらの思う方へ誘導してしまいそうになってしまったり…。難しい。
これはまた違う話になってしまいそうなので、このあたりで。