今年の夏ドラマ、唯一最終回まで観届けたのは

今期の夏ドラマが続々と最終回を迎えています。

7月にそれぞれスタートした時は、特にこれは絶対観たい!という作品がなく、なんとなく興味のあるドラマの1話目を視聴。

そこから2話、3話と観続けたものもあったのですが、いつしかほとんどフェードアウトしていました。

「これはもう観るのやめよう」と明確に決めたわけではなくて、自然消滅的に減っていったような感じです。

わたしはTVerの見逃し配信でドラマを観ているのですが、これの良いところは1週間を過ぎると視聴できなくなるところ。

その間に時間を割いて観たいと思えるか、もう見逃して次の回でいいやとなるかで、自分のそのドラマへのハマり度が分かるわけです。(そして1話でも見逃したドラマに再び戻ることはあまりない…)

この夏、ほとんどのドラマがフェードアウトしていく中で、結局最後まで観たのは、ひとつだけ。

それは「ちはやふる-めぐり-」というドラマ。

えー!意外!という声が自分の中からも聞こえてきます。笑

正直このドラマも、最初から絶対に観たいとか、これは最後まで観届けたいとか、そう決めていたわけではありません。

高校生の青春モノなので今更ハマらへんかなぁと思いつつ、「ちはやふる」の映画版がすごく面白かったのでとりあえず観とくか程度でした。(失礼)

でも、回を重ねるにつれてどんどんハマっていき、特に最後の2話は早く配信されないかと待ちきれないぐらいになっていたのです。

なぜ30代のわたしが高校生の青春ドラマに惹かれたのかという理由を考えてみました。

最初に思い浮かんだのは、大人からすると無駄と思われること(かるた)に必死な姿が清々しく感じられたから、という理由です。

大人(社会人)になれば、自己成長に関すること以外は排除してしまう傾向が強く、それは一定仕方のないこと。

そんな中で、高校生活をかるたに捧げる姿がなんとまぶしいことか…。

近い将来受験があったり今後の進路を考えるべき時期にも、ひたすらかるた一筋生活。ドラマ版はかるたのプロになるほど腕前の主人公ではなく、かるたで生きていく人生にはならないことは誰の目にも明白なのに、そんなことは関係なく、ひたすら「今」に全力投球する姿。

思い返すと、学生時代って無駄なことに必死になれる唯一の時期。そしてその無駄なことが形を変えて思いもよらない未来へ繋がっていたりもするんですよね。

大人からすると無駄なことに一生懸命になれている姿に、惹かれたのかもしれません。

でも、このドラマに惹かれた理由はそれだけではないような気がして。

「知らぬ間に癒されていた」

もうひとつ考えた理由がこちらです。

このヒントは、最近読んだ三宅香帆さんの「ずっと幸せなら本なんて読まなかった-人生の悩み・苦しみに効く名作33」という本にありました。

色々な感情や状況に合わせて、そんな時はこの本がオススメ!という三宅さんの熱い書評が読めるのですが、「怒られた日の夜に読む本」としてご紹介されていた本の書評として、「ああこういう感情、昔は持ってたと、昔の自分の気持ちを取り戻しにいくような、この気持ち知ってる、みたいな、既視感のある繊細さが自分を慰めてくれる」というようなことが書いてあって、おそらくこれが「ちはやふる」を観続けた理由な気がしています。

高校時代はバドミントン部に所属し、引退まで部活一筋な生活を送っていたわたし。

シングル、ダブルスという個人戦でもありながら団体戦でもあるところは、かるたに共通するところもあって。

高校からのバドミントン競技スタートで色々大変なこともあった中、仲間と汗水垂らして毎日走り回っていたなぁ。授業中にも手首を柔らかくするストレッチをこっそりしたり、朝練や居残り練に励んだり。テスト前1週間は部活が休みになるので、家の前で素振りやフットワークの確認をしていたことも。いまだに対戦相手を覚えている高校3年生夏の引退試合。

過去の自分に重ね合わせることで、知らぬ間に癒されていたのかもしれません。

元々わたしの人生No. 1ドラマは「ウォーターボーイズ」。山田孝之や森山未来が出ていた方です。

こちらもザ・青春ドラマで、数々の苦難を乗り越えて男のシンクロ公演を実現させるストーリー。

リアルタイムで学生時代に観ていたこともありますが、このドラマのサントラを聴くと一瞬であの時代に戻れる〜。だから好きなのかもしれない。

話を戻しまして、、、

今年の夏ドラマ、キャストやストーリー展開的に話題になった作品がたくさんあったにも関わらず、個人的に一番好きで最終回まで観たのがなぜ若者の青春ドラマなのか?とすごく不思議だったのですが、タイムリーに読んでいた三宅香帆さんの本によって、すとんと腹落ちできました。

最初はなぜこのドラマだけ見続けたのか不思議だったけど、理由を考えてみるとその結果に納得。